CO2削減に市場メカニズムは有効か、経産省は排出量取引制度に懐疑的
地球温暖化防止にCO2の排出量(排出権)取引制度が有効だと言われる。日本でも金融取引法改正案が国会で成立し、排出量取引市場が本格化する。排出量取引制度は欧州連合(EU)が導入し、CO2削減に市場メカニズムを活用する制度として世界に提唱している。市場形成に乗り遅れるなとの声に押され法改正が進み、日本では東京証券取引所が09年にも市場開設する見通しだ。
排出量取引制度は、市場が形成され排出量の時価が明確し、排出量削減にプラスに働くとの見方もあるが、反対に金融機関の取引が増えることで排出量価格が高くなる、と懸念する声も強い。経済産業省の高官も後者に組みする一人、「市場経済に任せるだけで合理的な解決につながるのか」と疑問を投げかける。
代表的な例になるのが原油価格。1バレル60〜70ドルが相場といわれるが、実勢価格はほぼ倍の水準になっている。サブプライムローン問題で行き場を失った投機的資金が原油先物市場に流入し価格を高騰させた。小麦などの穀物価格高騰の問題も同じこと。現在の世界情勢をみると、「市場メカニズムに任せることが最良とは言い難い」という経産省高官の発言が支持できそう。
CO2削減対策として、経産省が提唱し福田首相に言わせた「セクター別アプローチ」が最良だと言うつもりはないが、市場メカニズムだけでは解決せずに、かえって問題をややこしくすることは確かなようだ。
【DANN編集長】 |